74 Design Labのブログ

ナナヨンデザインラボの代表のデザイン周辺の雑感 

ガチガチの世界をゆるめる 澤田智洋 読みました

細かいきっかけは忘れましたがネットの話題から知って最近読んでみました。「ゆるスポーツ」は元々知っていたのですがニュースとかではなく昔、広告会社の方々と仕事で関わった時に断片的に聞いたような気がします。

 

ゆるめるのは(大事なことはきちんとおさえつつ)固定概念とか既存のルールやものさし、というのはよくわかります。「ゆるい」はどうでも良いということではなく、既存のものさしを変えると違う風景が見えて、既存のものさしでは活躍できなかった人にも楽しめる。それを真剣にクオリティ高く、伝わるようにやる。すごく難しいですがとても楽しくやっておられます。すごい。

 

思い出したことその1

Honda S660という軽自動車があり・・・ましたが(2015年発売、2022年生産終了)

そのプロジェクトの初期の提案はイベントとしての社内提案で「ゆるスポ」というコンセプトでした。

紆余曲折あって結局「がちスポ」的になっていったような感じだったのが私は遠く離れた社内で聞こえてきていたけれど、今、言っていいのだっけ?と調べたら色々ネットに記事が出ていました。(↓これ以外もあります)

 

開発責任者は22歳! 社内コンペから誕生の本格スポーツカー「ホンダ S660」も当初のコンセプトは“ゆるスポ”だった!?

 

MTだけがスポーツじゃない!! S660のCVTモデルが教えてくれた、ホンダスポーツの楽しさと「ゆるスポ」のコンセプト

 

いずれにしても商売になるかは微妙だったと思いますが

でも、「ゆるスポ」が見たかったな・・・と思っています。

新しい広がりの可能性はそちらにしかなかったのではないかと。

 

作る側の周囲は「スポーツ」と言うとスイッチが入る方が多そうですし

お客様もそちらのほうが既存の方が見える(存在している)部分もあったでしょうから

抜け出すのは難しかったでしょう

 

またクルマというプロダクトは安全性とか含めて緩くするのは難しいかもしれません。「乗って楽しい」を残すとするとどうしても足回りだけでも既存のものさしのもとで素性の良い構成にしたくなりそうですし・・・。

 

・・・直接知らないので想像です

 

思い出したことその2

(以前LINEスタンプを作った)ムコウさんのYouTubeで元プロの人も一緒に小さい女の子にボールの投げ方を教えようとして、最初はフォームを教えていたらなかなかうまくいかなかったのだけど、ちょっとした偶然からお腹を的にして投げさせて当てられたムコウさんが歌を歌うという反応を見せたら面白がってどんどん投げて、そこで彼女のお母さんがフォームをすこーしアドバイスしたら制球力も威力も増していったという動画を見て、ちょっと感動しました。

 

【重大発表】めいちゅんと向の関係を全て公開します。【ムコウズ】

(題名はお気になさらず・・・)

 

初心者にフォームやルールから教えるのってどんなものでもやりたくなりますけど、伝えるのは難しいです。まず的に向かって思い切り投げると反応がある、というのがシンプルに面白いから始まるのはいい感じです。

 

プロダクトデザインのスケッチの授業をしようとするとどうしても硬くなりがちなのですが、初心者に行う場合きっと既存のものさしだけを持ち込んでは盛り上がらないし、拒否反応が出てしまいそうなのでどうしたものかと考えているところで、これもできればゆるめたい。

一般的な基本を乗り越えることは必要そうでいて、最初にやることかというと自分にしても結果的にパースとか覚えたような気がするのです。大事な部分は「伝えるにはどうしたらいいか」とか「伝わると嬉しい」というところからでしょうか。紙面になにか現れるだけでも結構楽しいですし。(でも知っておいたほうが手っ取り早いか・・・。)

 

といったところでたまたま以前いた同じ会社にいた方が大学の先生になっていて退官になるお知らせとそのスケッチ展の画像を見て、ああああうまいなあああ、ガチで上手いのいいなあああとなったりもしています。

 

道のりは遠い。

 

加藤 雄也

ナナヨンデザインラボ