ジョナサン・ゴットシャル著
原題がTHE STORY PARADOXでそのほうが内容に沿っていると思います。
物語によって人々はまとまり協力しあえるが
信じる物語の違いによって人を分裂させる。
物語は危険だが、
物語を抑えようとすると力で1つの物語で統一する手法になる
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なんで合理性みたいなものより、そちらに流れるのかな?
と思うことがよくありますが、
人間は物語に没入することから逃れられないものだ
と捉えるとと納得ではあります。
そして説得ではその人の物語を変えられない。
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デザインも物語が必要で、どの物語を採用するかに誠実さがいるなと思っていますが
色々な方向で考えすぎると、言い切りができなくてぼんやりしたものになりがちです。
シンプルにしたり方向性を絞ったりしたほうが分かりやすいけれど
説明が足りないとなんだかウソをついてるような状態になったりします。
複数の一見矛盾する条件(物語、ものさし)を統合するのが
アイディアだろうとは思っていますので、めげずにやっていきたいです。
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(実は初めに下書きしていたという)終わりのほうの章から察するに
某国の某大統領が選挙で勝ったときに、問題だと思って発想した内容なのでしょう。
でも、書いているうちにその人を悪者に書きすぎるのはこの本の趣旨に反する
という矛盾。面白すぎる。
対抗する手段としての学術、科学やジャーナリズムの弱点も挙げてあり
どうしたらいいものか・・・?ではあるのですが
構図が分かりやすすぎるときは疑う、という姿勢がいいんじゃないかと思ったことと
なんだか絶望的な気分になったときには、どんな物語でそれを考えた?と考えると
意外と変なことに囚われてるよな、と思えたことが
モヤモヤしてたここのところの私には収穫です。
あと
理屈だけでなく感じられるようにするのはデザインの得意技です。
色々なことに思いを巡らせてデザインしていきましょう。