74 Design Labのブログ

ナナヨンデザインラボの代表のデザイン周辺の雑感 

「街を変える小さな店」

Book Market 2017に行って買いました。
ミシマ社のTwitterで知って出かけたのですが
軍資金をあっという間に使い切って
ミシマ社では買い物できずに帰ってきたのです。
 
その寸前に「ちゃぶ台3」を買っていたからもあったのですが。
ちゃぶ台3で印象に残った記事はいくつもあったのですが
その中の一つが「地元的なるもの」でした。
 
住んでるところが近いからと理由のつながりが少なくなって
勤めてる会社が一緒というのも薄くなって感じ
価値観的なものがつながる理由になってるなーと
 
ぼんやりと考えていたところにはまった内容でした。
具体的にはこういうことなのか、と。
 
街を変える小さな店
は題名だけで買ったのですが
読み終わって、あ、と本棚にちゃぶ台を取りにいったら
同じひとでした。
堀部篤史さん。
本が出て2年後に独立したのですね。
 
話が繋がっていてよくわかります。
もう一度、二度、セットで読まなくちゃ。
 
そして工業デザインというか
モノを作るにあたっても
腹に落ちる文化圏でつくってみたいと思います。
 
それが何かはよくわからんのですが。
 
告白しますと
読み始めに
なんか楽しそうそうだから
今度京都に行ったときには
出町柳とか一乗寺に行かなくちゃ
と思った自分が恥ずかしいのでありました。

「明日クビになっても大丈夫!」ヨッピー

ヨッピーさんの記事を意識して読んだことはないのです。
でもなんだか気になって買いました。
kindleはこういう本を読むのにいいです。
 
社会人になると同時に
「明日から仕事がない」
とかいう本を読んだ私。
それは、どちらかというとというレベルではなく
ノウハウ本で
具体的にどんなことをする必要があって
どんな救済手段があるかみたいな
本というより雑誌というかムックみたいなものでした。
ええ、昔から気になります。
 
さてこのブログ的なものを始めたのも
なんか変えたいなーということなので
こんな本を読む気分なのでしょう。
〜〜〜〜〜
なんでサラリーマンをやってると辛いのかが
少しわかった気がします。
 
ヨッピーさんの言う
カネより読者
という姿勢は別にきれいごとじゃなくって
よくわかります。きっとそうです。
以前読んだ、ちきりんさんの文章を読んでいても
似たようなことが伝わってきます。
 
大きな会社の会社員の場合
おそらく、お客さんより、デザインの哲学より、世の中の動向より
上司とか会社内の周辺の人、にならざるを得ないような気がします。
それもその人の機嫌とか?
いわゆる年功序列だとなにやっても
給料にもなかなか反映されないし、
カネですらないような妙な状態に。
それも、じわーっと効いてきます。なんか辛い。
 
その妙な利害関係は
もっとじわーっと会社全体に効いて結局船自体がダメになるかも。
ですから、せめて作り出しているものがいいなと思えていないと辛い。
〜〜〜〜〜
 
面白かった内容はいろいろありますが
知りたい人は読んでいただくとして、
思ったこと。
 
ヨッピーさんはライターです。
ライターは
「生産する趣味」に「書くこと」でしています。
でもそれってとってもレッドオーシャンなんじゃないか、とか思います。
私が少しイラストが描けてもそれもとっても上手い人がわんさかいます。
文章も絵もあんまりそれで稼げそうな気がしないのです。
 
でも
 
「ジャンル」×「手段」
 
の問題という見方ができるのかもしれません。そして「手段」はあまり種類が多くはないのです。
ここで言う「手段」は、世の中に伝える、認識してもらうための「手段」になります。
それは元々そんなに多くないのです。
文章や画像や映像になるに決まっているではないですか。
そこの大枠で特殊性をださなくちゃ、と思っていると行動が進まないのは当たり前か、と。
 
そこにオリジナリティーがあったらいいけど
まずは「ジャンル」が特殊でニーズがあるなら価値があると。
表現したものにお金を払ってくれるかもしれない。
 
そして、ここでの「手段」は「伝えるため」なのですよね。
世の中には「伝える」仕事ではないほうが多いかもしれません。
 
ここで「ジャンル」と呼んだものはそっち側の話かと。
選んだ「ジャンル」の研究(仮説を立てて、試して、ノウハウを身につける)をきちんとして
使えるようになっていれば、「ジャンル」そのもので稼ぐことにつながるかもしれません。
となるのではないでしょうか。そちらの幅はそれなりに広い。
 
でもいきなりそちら側が仕事になることはありません。世の中が知らないのですから。
「仕事」にするには伝えることから。「伝えること」が仕事になるかもしれないし
「伝えたこと」が仕事になるかもしれない、と思うと動けそうな気がします。
 
・・・伝わるか微妙な文章だ・・・
これじゃ「手段」としていけませんね。
書くのは別に苦にならないんですけども。
あ、この文章の「ジャンル」は「自分語り」的なものか。
ありふれててニーズないなー
 
そのうち内容のあるものを描きますです。

「遥かなる他者のためのデザイン」久保田晃弘

ふと気がついたら
久保田晃弘さんの関わった本がいくつか本棚にある。
その一つををやっと読み終わった。
正直わたしにとっては難しいし
結構分厚い。時間を食った。
 
以前、3331アーツ千代田に行った時に目に止まって
私にとっては高価だったけど
なんか読んでおかなければならないような気がして買った。
 
工業デザインに対する視点を変えようと思っている今
それが詰まっているように見えたからだ。
 
それは正解だったと思う。
けど理解できなかったところが多いので
以下整理のつかない独り言的メモが続きます。
 
〜〜〜〜〜
 
最初の文章が20年前あたりで
私が社会人になったころだった。
 
最近、「人間中心」じゃないアプローチがいるのだな
と幾つかの本や情報から思ったのだけど
 
もうそのころから
こうしたアプローチをしていたのだ。
 
私がデザイナーの端くれになったときには
始まっていたのか。
 
機械中心・・・シカゴ万博 1935年
人間中心・・・1990年代?
そして今、脱中心だそうだ。
 
今の仕事場は、正直、機械中心のままだ。
人間中心にと言われ始めたところだ。
(それでも本当には移行できてない。
話をしているとどうしても機械に戻る。)
 
それももう、ちょっと視点を変えたい時期なのだ。
私が今面白いなと思う人が何人も言い方を変えて
 同じことを言っている気がする。
 は〜・・・。
 
〜〜〜〜〜
デザインとは
複雑な事象を
人間が理解できるレベルまで
抽象化することだったけど
 
今ならもっとそのまま扱えるかもしれないし
 
人間中心であったとしても
そのままを限界だと思わずに
人間の可能性を信じたもの。
 
人間の能力を数値化して
その中に収める
柔軟性や創造性を無視した
捉え方ではないのであればアリかもしれない。
 
〜〜〜〜〜
 
他人事じゃなくて
いくつかトライしてみよう。
3つほど思いついたことがあるけど
まだ書かない。

「サピエンス全史」

あるイベントでブックコーディネーターの幅 允孝
さんが紹介してたので
 
ビジネスマンの間で売れてるらしくて
上下巻とボリュームがあって
普段なら手を出さないところだけど
 
 読んでみた。
 
思い込みを解除されることしばしば。
 
世の中の、歴史の
様々なことが
イメージで出来ていて
共有しているから
世の中がある。
 
それゆえに
大きなことが出来る。
その中にいて
それを客観視するのは難しいけど
イメージだけなので
変えられないこともないのだ。
 
この本のいう
「神話」を信じる力が強いと
ちょっと窮屈な感じがする。
上層下層とか
何兆円企業とか。
どこの国の人だとか。
 
デザインもイメージの問題が大きい。
 詐欺のようでもあるけど
能力というか、癖なんだから
活かして過ごせたらいいのか
 
はっとさせられて
なるほどと
通勤中に読みながら
またも、ニヤニヤ、ニコニコ
してしまった本でした。

「いのちの車窓から」星野源

本を読みましたネタばかりですが。
 
ずいぶん前、
ある知り合い
(背が高くて、ある種の格好さはある男クサい外見)
がフェスに行ってきたあと
 
星野源のファンの女の子は可愛い!」
「・・・けどそういう人は俺みたいのが好みではない」
 
と言っていて笑ったので名前を覚えた。
〜〜〜
Lifeというウッチャンがやっている
NHKのコント番組を
ちょっとしたきっかけがあって見始めた。
 
とっても面白くて
星野源もすごく良かった。
〜〜〜
たまたま見始めた
「逃げ恥」
私にとってヒラマサさんは他人事ではなく。
今までよりも新垣結衣が可愛く感じて。
それ以外の人物も魅力的で
脚本もいい感じ。
とても喜んで見てしまった。
 
私が恥ずかしくも喜んで見てしまうのは
男の妄想っぽいのか?とも警戒したが
相方も面白がって見ていたので
それだけではないのでしょう。
 
エンディングテーマも良かった。
〜〜〜
最近やっと
真田丸」の残り10話を見た。
〜〜〜
そしてこのエッセイ。
素直に読める良い文章。
リズムがいい。
題名も実は結構ヘビーな意味でもある。
 
電車の中で読みながら
ニコニコしたり
本気で泣きそうになったり
しながらも
すっと終わっていました。
 
なんとも思っていなかったのに
どんどん好きになってしまう。星野源

 

「デザインの仕事」寄藤文平

つい最近知った(すみません)木村俊介さんの

聞き書きか、と
出るのを楽しみにしていました。
 
寄藤さんの本は
大人たばこ養成講座
ウンココロ
数字のモノサシ
は買ったりしています。
(今手元にあるのはその一部ですが)
 
読んでみて
絵と言葉の一研究
という本の内容を
別角度から見たような気分も楽しめました。
 
スピード感はものすごくて
比べられないところもありますが
工業デザインにも通じるところも多いです。
 
というか、すごく考えさせられたので
詳しく書こうかと思いましたが
消化しきれてない。(こればっか)
 
沢山課題を得た気分。
 
・アイコンとストーリー
(大貫→佐藤→東京オリンピックエンブレム)
・狙いと細部
・一発アイディアと有機的システム
・細部の効率のためのシステムより、いいね!となるアイディア
・秩序を考える学問
 
いや、もっとあるのですが。
あたりでしょうか。
はあ〜。
私はこんなにきちんといろいろ考えてないな・・・。
 
悩み深いのに透明感のある印象なのは
人柄なのでしょうか?
木村さんの受け取りなのでしょうか。

また消化したら書きましょう。

「インタビュー」木村俊介

えんえんと繰り返し、少しずつ言い方を変えて

同じことを言っている
そうして言葉で言い表しにくいことを
形づくっているような感じがするが
どうなのだろう?
 
万年筆で少しずつ書いた
というのも
この文章の雰囲気に関係ありそうです。
 
正直私には捉えきれなかった部分が多い感じですが
「はりぼて」「ドーピング」
といった表現は
工業製品の外観デザインに関わって来た身として
外観はリアルに「はりぼて」だし
気をつけないと「ドーピング」してるだけ
になってしまうのは同じではないかと
思いながら読んでいました。
 
「そんなの詐欺ですよ」
 中身がそれほど進化していない製品の開発中に
「もっと外観で差が出るようにしてほしい、すごい機械なんだから」
とデザイナーでない上位者が言った時に
私が答えたと知った同僚が
そんなこと言っちゃったの?的に笑っていましたが
 
デザインはきっと人間の錯覚みたいなところまで
配慮するけど、ごまかしの手段じゃないよなー
とか思っているのも思い出すのです。
 
大事なことで自分と関係ありそうなのですが
具体的にイメージできないくだりが
いくつかあるのがムズムズするなという読後感です。
 
そして、木村さんが「芸術起業論」村上隆、にも関わっていたのを知り、
それをまた読み返したりしています。
アートの見方が分かって、すげーメカラウロコとはこのことか
みたいな本です。私にとって。