74 Design Labのブログ

ナナヨンデザインラボの代表のデザイン周辺の雑感 

シラバス

大学の非常勤講師をやっていると次年度の前に「シラバス」をつくります。

授業でどんな内容をやるか、評価はどうするか、参考図書などは何かということを書くのですが、私が学生のころは「シラバス」で授業内容を把握した覚えがなかったなと思いつつ、でも、ほんとに偏った授業や試験があってないようなものがあったりでしたので(それに甘えてもいましたが)学生さんのためだろうなと思って指示通りに作っていました。

 

あと、授業の最終日に「授業改善アンケート」を決まったシステムでとります。

結果がでたら考察と改善点を書くところまでがセットです。

(2つ学校に関わっていますが両行同じようなのがあります。)

これもまた学生さんのためだろうなと思って丁寧に対応していしました。

 

最近「大学改革の迷走」という本を流し読みしたのですが

日本の「シラバス」は海外の大学の「シラバス」とは違っていること、

大学改革が進んだ時期に色々な方面のワードを利用した経営コンサルティング用語的なものが入ってきたような話がありました。

 

あ、アンケートはPDCAの一環だったのかも・・・

あ、シラバスの締め切りが異様に早いのは、その改革の流れで仕組が出来上がって他者からのチェックが入ってから次年度が始まる前に学生さんに開示するようになっているからなのか、だから例えば大学の事務の方に不満をぶつけても仕方ないのか(してませんが)

と少しつながった感があって面白く感じる部分がありました。

 

シラバスの締め切りについては、後期の授業を持っているとその授業全体が完全に終わる前に締め切りがあって反省、改良する暇がないことや、秋ごろ冬前に打診はあるものの、次年度の契約が決まる(春になってから)前に結構な重みの作業が発生するのが変だな・・・と思っていました。

 

実際は記載するシステムに載せられる分量、条件でざっと記載して、次年度の授業が始まるまで内容や参考データを整理し、スケジュールも練り直して学生さんに配布して始めるのですが、それも人によって同じようにやられていることだと知り、そうなりますよね…と思いました。

 

あと、受け持っているどの授業もアンケートの回収率がかなり悪いので学生さんのためになっているのか??との疑問があったのですが、こういう仕組みの中だとあまり自分事ではないのでしょう。元々それに関係なく授業内で最後に振り返りや感想などを書いてもらっていて、それにはかなり色々書いてもらえているので個人的にはそれで大丈夫なのですが。

 

大学って何をするところなのか、色々は役割があると思いますが、経済的な効率だけで評価しては見誤るよなと思っております。デザインに関することだと結構「役立つか」視点が強めですがそれも絶対ではないですし…など考えているのでこんな本に手を出したりしています。

 

本は新書にしてはとても分厚い本でその他ものすごい量のデータが入っている内容なので全体の趣旨は実際読んで確認してください。

 

読んで「あ、」と思った話でした。

 

20240415記

 

加藤 雄也

ナナヨンデザインラボ

コミュニケーションのためのスケッチ講習

あるメーカーの仕事を受けて新しいデバイスのを検討しているとき

私がちょっとした説明図を描いたのを見たこと

大学でデザイン画(スケッチ)の授業を担当し始めて準備が大変という話をしたことから、

担当者の方が「自分たちも描けると仕事に使えるんですよね・・・営業担当はカスタマイズの相談でお客様に向けて、内部の技術者も治具の開発時とか・・・描き方を教えてくれませんか?」

という話がありましてスケッチの講習を組んだのでした。

 

3時間ほどでやった内容でしたが、評判はほどほど・・・という感じでした。

 

おそらく強くは必要性を感じていないのが主な原因で

・仕事で必要と思っていない→設定してくれた方や私の想いと受講者のずれ

・充分描けていると思っている→見る目、知識のずれ

・需要とぴったり合っていない→担当別に分けて、アレンジすべきだった

ということでしょうか。

いずれにせよ事前の打ち合わせと検討をもっとやる必要がありました。

そのうえで私も伝え方、なんのトレーニングを行うかの研究が要ります。

 

反省点山盛り。

 

また、3時間では入門編でその先が必要だと思っているのですが、

デザインする人のように「描けないと仕事にならない」とか「上手い先輩がいる」とかいう状態でないと「(あるレベルまで)上手くなろう!」というモチベーションが生まれにくいのかもなと思います。お客様とスムーズにコミュニケーションを取って確実に仕様に落とし込むことにつながっている実例があるといいかもしれません・・・。

 

スケッチはコミュニケーションをとるツールとして色々な立場の方が使えるとは思っているので、なんらか探っていきたいと思っております。

 

加藤 雄也

ナナヨンデザインラボ

デザイン画の授業 2023年度

2023年度から大学でデザイン画の授業をもつことになってしまった

と丁度昨年の今頃書いたのですが、1年間の授業が終わりました。

週一回、90分×2、前期15回、後期15回です。

学生さんの人数が多いのと通常の仕事も色々あったのでなかなか大変でした。

 

授業の名前が「デザイン画描法」というのですが、そういえば私はこれに関わるまで

「デザイン画」って言葉を使ったことがなかったのです。業界にもよるのでしょうかね。

 

そもそも

1:私自身、自己流で、仕事で伝わるギリギリのレベルで描いていたこと

2:準備してもらう都合上私が通常使っている画材がそのままは使えないこと

3:一般大学なのでほとんど描いたことなくても始められるようにする必要があること

から描き方から練り直しってことなので準備が悩ましいものでした。

 

1について、以前いた会社は周囲に絵が上手い人ばかりだったですし(直接かかわってなかったですが、クルマやバイクの部門はとんでもない人がいっぱい)、いや、受験から大学にかけてもあまり上手いほうではなかったので、頼まれたものの、引き受けていいのか?という疑念はぬぐえない状態でした。が、下手なりに方法もあるだろうとスケッチについて考えることにしました。

 

デザイン画を描くにあたってどんな要素が必要か考えてみると

まずは目的によって求められることが違うような。

・アイディア展開のときは分かり易さとスピード

・デザイナー以外にも見せるような完成状態を描くには正確さ、緻密さも要りますか

あと

・状況とか構図を伝えるとき、もちょっと違いそう。

 

ないモノを描くので

・モノに関する知識がある

・狙いを決めてイメージを構築できる

ことが必要で

そして技法

・描き方の知識(画材の使い方)

・描き方の知識(表現のノウハウ・・・3次元を2次元で表現する、形状、質感)

あと理屈を知っていてもやはり実際描くと違うので

・身体能力、調整の仕方

・描いたものの評価

あたりができる必要がある、みたいなかんじでしょうか。

技法は伝えやすいですがそれだけにならないようにしないと、などと考えて授業を構成しました。

 

画材については学校側からのお願いで

前期は手描きで、後期はデジタルも含めてという話でした。(昨年度まではすべて手描き)

 

手描きは画材の選択で手間がかかりました。

2023年から(かな?)コピック値上げということで同じ内容でも昨年度より負担が増えるので購入してもらう画材はどうしたものかと悩んだり、私が持っているものからコピックの補充液の形式が変わっていたので自分で買いなおしたり、ホワイトは昨年まで私が使ったことがなかったボールペンを使用していたようなので試したり。ちなみにボールペン型は線の細さはいいのですが、隠蔽力が少し甘いのと、出方が不安定なのと、抑揚をつけるのに向いていないので工夫がいるなという印象。

ホワイトのボールペン

 

後期のデジタル併用の絵ですが、私は普段、パソコンに大型の液晶タブレットを繋げてお絵かきソフトで描いているのですが、タブレットは全員持っていないこと(持っていたとしても機種ごとに対応がちがいますよね・・・)共通で持っているソフトはAdobe製品という状態です。よって、IllustratorPhotoshopで描く工程を開発して課題にするということになります。

 

テキストは、人数が多いので私の説明を聞き逃しても進められるような書類と動画を用意するようにしました。とはいえ、私は方法が一定していなくて、一発でいい絵が描けるわけではないので動画は苦戦しました。撮ったものの使えなかった回も出てきていて、来年度に向けて編集しなければ、と思っている回もあります。

 

youtu.be

 

前期は4月までに、後期は夏中に、内容を用意していないと普段の仕事がやばい!と思ってはいたのですが、数回分までしかできず、後半は毎週連載状態でした。

 

それだけならよいのですが(よくないです)添削というプロセスがあります。手描きは紙で見たほうがよいのでしょうが、アドバイスの描きやすさと管理のしやすさから画像データで提出してもらうことにして、一人1つはなにか書いて返すというのを毎週数十人分!年末に肩が上がらなくなりました。(いや、原因は1個ではないですが)

 

もう一つ悩みは課題のテーマとレベル。

私が得意なものと学生さんの興味は違うので不得意でも練習してテーマにしたりしました。

 

量は結構書いてもらいました。学生さんそれぞれ、スケッチの基礎力、観察の解像度、アイディアを軽く出せるかのバランスで時間が丁度良いか違うので設定が難しいところです。

前期は1回の授業180分で実物の観察スケッチ、形状のアレンジのラフスケッチ、アイディアの仕上げのスケッチまでにしましたが、改めて考えると量は結構きついですね・・・。

観察スケッチ

形状のアレンジのスケッチ

アイディアの仕上げスケッチ

 

後期は2回で1つのテーマで1回目が観察スケッチ、アイディア展開、仕上げの下描きまで、2回目がソフトで仕上げでした。ソフトがスムーズに使えない方も多くて時間が足りなかったようです。私が描いてもテーマの難度、細部の表現のレレベルを調整しないと足りないですけども。細部書き出すと何日もかけられてしまいますし。学生さんの反応的にも後期はテーマも含めてレベルが少し高すぎたかな?こなす要素が多すぎだったか?と反省しています。

観察スケッチ

アイディアラフスケッチ

仕上げの下描き

Photoshopでの仕上げの工程1

Photoshopでの仕上げの工程2





テーマで学生さんの反応が興味深かったものを挙げると

 

■やってみたいけど難しいかな?・・・やっぱり難しかったか

前期 シューズ

後期 2人乗りモビリティ(Illustrator




■みなさん意外とうまかった

前期 グラス

 



後期 電気ポット



■私が不得意だったり専門知識不足なので迷ったけれども入れて良かった(学生さんのノリが良かった)

前期 アクセサリー1




後期 コンテナショップ(Illustrator



でした。(絵は私の描いたサンプルです)

 

 

やってみて興味深い反応がまだまだ沢山あったのでそれを参考にブラッシュアップしていきたいです。しかししんどかった。でも練習したので少し描けるようになっているかも。いや、こう並べると見せるほどのものでもないか・・・ではまた。

 

 

加藤 雄也

 

 ナナヨンデザインラボ

 

 

 

町工場のブランド及びオリジナル製品のデザイン・・・株式会社タシロ様

地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)様

「次世代事業創出デザイン支援事業」で採択されて進めていた

株式会社タシロ様のプロジェクトを

「経営・デザイン発表会」という形でお披露目しました。

 

KISTEC様のプレスリリース

タシロ様のプレスリリース

そのレポートが出ています。

 

そこにも書いてありますが

株式会社KOZAKIKAKU様と共同で進めていて

ブランド関連(ロゴマーク、付随する名刺、パンフレットなど・・・さらに今後を見据え板材にカットして使えるオリジナルフォントまで)はKOZAKIKAKU様が進めていて

私のほうはオリジナル製品を進めてきました。

製品は色々案が出ていますがまずは象徴となるものとして

カプセルトイマシンを制作する提案とお手伝いをしました。

 

製品提案→ラフモックで機構確認→3Dデータ→2D図面

→(タシロ様 制作用図面化→カット→曲げ→溶接→仕上げ)

→組立→テスト→改修図面→組立・・・

そう、組み立てまで。色々やりました。

進めた詳細、考えたことは

できればまとめて会社のサイト内で書類を挙げたいと思っています。

 

このカプセルトイマシンは

「東京インターナショナル・ギフト・ショー春2024」

会期:2024年2月6 日(火)~ 2月8 日(木)10:00-18:00※最終日は17時まで

会場:東京ビッグサイト 西2ホール

小間番号:西2SME-83

 

「テクニカルショウヨコハマ2024」

会期:2024年2月7日(水)~ 2月9日(金)10:00-17:00

会場:パシフィコ横浜

小間番号G24(タシロブース)S17(KISTECブース内)

で展示されます。

 

あと「ひらつか産業FES」にも出るそうです。

 

最初の2つのイベントがかぶっているため1人で4台組み立てました・・・。

 

試作機でこれからブラッシュアップをしていくところですが

ご興味があればぜひご覧ください。体験機もあります。

 

加藤 雄也

ナナヨンデザインラボ

プチパワー・ハンディムーバーのデザイン

川上産業株式会社様の開発に協力しました

電動アシスト牽引車 プチパワー・ハンディムーバー

2023グッドデザイン賞受賞しました。

 

工程と仕様に紆余曲折あった興味深い開発でした。

様々な方と協力しています。

 

ベースとなったフレームの把握から

ある程度の構造を提案しつつ

樹脂のカバー類の3Dデータなど作っています。

 

仕事としてはかなり広範囲にやった感ありますが

狭義のデザイン(スタイリング)という意味では

堅実な方向に振っていて斬新だったり特殊なことはしていません。

製品としては場によって実践後に調整もいるだろうな…と思っています

 

なので

 

あ、これ出すんですか!あ、通ったんですか!

という感じでした。意外で嬉しい結果です。

 

加藤 雄也

ナナヨンデザインラボ

筆文字レタリング

よくネタとして知り合いに話すのですが、昔NHKで「プロジェクトX」という番組がありましたが、そのタイトルは筆文字で、私の母が書いたものです。(NHKアートと契約していて依頼された)

 

何の気なしに見ていますが文字として少し特殊なことが含まれていて面白いのです。

 

(この先敬称略で記します)

 

1:漢字かな交じりの書(近代詩文書

書道マンガ「とめはね!」(河合克敏)を読んでいて

ああ!と思った話がありました。(何年か前にブログに書いています)

 

第52話(単行本5巻収録)で戦前までは書道は漢字、かな、篆刻以外は認められていなかったのですが金子鷗亭を中心に新しく作られたジャンルとして「漢字かな交じりの書(近代詩文書)」の説明がありました。

 

彼が始めた創元書道会のサイトによると

 

「日本の美しい言葉、詩や俳句・随筆といった日常私たちが使う文学の中での感動した言葉を書にしましょう」「分かりやすく読みやすい文字を使いましょう」「漢字書は『大字書』として少ない文字数で読みやすく表現しましょう」といった誰もが親しむことができる大衆の書を訴えたのです」

 

とのこと。私が子供のころ母は金子鷗亭の弟子の東地滄厓の教室に通っていたのでその名前をよくきいていました。近代詩文書という言葉も当たり前のように聞いていたのですがそれは書道としては面白いジャンルだったのだなとずいぶん経ってからマンガで知ったのでした。

 

基本がしっかりしていて自由度のある書はタイトルに相性がよさそうですし、カタカナを書くこともあるわけです。

 

2:立体デザインと英文字レタリング

そもそも母は学歴としては

多摩美術大学のプロダクトデザイン科を出ています。

パッケージ系の卒業制作から東洋製缶に入社

当時平野拓夫が開いた「アワーデザインスクール」という社会人向けの塾があって、そこに通い英文字のレタリングを学んだそうで、「先生はアメリカ人だった」とのこと。

 

英文字のレタリング、タイポグラフィは深い文化がありますので

その一端でも理解しているというのは「X」の文字の良さにつながっているでしょう。

 

というわけで

プロジェクトX」のタイトル文字は

プロダクトデザイン+英文字レタリング+近代詩文書(漢字かな交じりの書)

できているとも言えるかも、と面白がっているのでした。

 

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書といいますか筆で書いたタイプの看板だとかロゴタイプが存在していますが、それはやはり一回性とか書いた工程を感じる部分があって、いわゆるフォントを使ったものとは違った魅力がありますしオリジナリティーにつながります。

 

ただ、適当にそれらしく書くだけでは、様にならないものです。

また、書家の書くものがそのまま使えるかというと使う目的の方向に消化することが必要ですし、日本語は漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字、アラビア数字と含まれていてそれらをこなすのも難しい。

 

母は今もたまーに番組のタイトルや番組内の文字など書いていますが

(あ、もうずいぶん前ですが、LIFE! 人生に捧げるコント の「阿吽の呼吸」にでてくる文字が好き。笑った。)

 

・デザイン科を出ていること

・英文字レタリングの基礎が分かっていること

・漢字かな交じりの書の発祥と言える書道会で学んだこと

おまけに

・(テレビの素材として使うことが多かったので)納品形式はAdobe Illustratorベクターデータが可能

は面白い経歴だと思うのです。

 

現状直接のやりとりはNHKアート以外していないのですが

このあいだ、目的を聞きロゴやシンボルとしての仕上げることはナナヨンデザインラボで引き受けて、素材の文字を書いてもらうというのをやってみました。

 

書ですから、細かいニュアンスを注文のままに書くのは難しいのですが

書く文字の傾向を知ったうえで依頼していただければ

面白いのが出来るなと手ごたえを感じているのでした。

 

ではまた。

 

加藤 雄也

ナナヨンデザインラボ

 

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■補足

 

加藤 純子

多摩美術大学 デザイン科卒

書道

1988年 第40回毎日書道展 毎日賞

1988年 第24回創元展 特選

書籍

1991年 書体集 遊玄 (マール社 デザイン筆文字シリーズ 絶版)

タイトル文字など

1993 平成5年度 第50作 NHK 連続テレビ小説「かりん」題字

2000年 NHK 「プロジェクトX」題字

2003年 NHK「御宿かわせみ」題字

2022年 NHK「義経のスマホ」題字

その他諸々

ご参考

 

ガチガチの世界をゆるめる 澤田智洋 読みました

細かいきっかけは忘れましたがネットの話題から知って最近読んでみました。「ゆるスポーツ」は元々知っていたのですがニュースとかではなく昔、広告会社の方々と仕事で関わった時に断片的に聞いたような気がします。

 

ゆるめるのは(大事なことはきちんとおさえつつ)固定概念とか既存のルールやものさし、というのはよくわかります。「ゆるい」はどうでも良いということではなく、既存のものさしを変えると違う風景が見えて、既存のものさしでは活躍できなかった人にも楽しめる。それを真剣にクオリティ高く、伝わるようにやる。すごく難しいですがとても楽しくやっておられます。すごい。

 

思い出したことその1

Honda S660という軽自動車があり・・・ましたが(2015年発売、2022年生産終了)

そのプロジェクトの初期の提案はイベントとしての社内提案で「ゆるスポ」というコンセプトでした。

紆余曲折あって結局「がちスポ」的になっていったような感じだったのが私は遠く離れた社内で聞こえてきていたけれど、今、言っていいのだっけ?と調べたら色々ネットに記事が出ていました。(↓これ以外もあります)

 

開発責任者は22歳! 社内コンペから誕生の本格スポーツカー「ホンダ S660」も当初のコンセプトは“ゆるスポ”だった!?

 

MTだけがスポーツじゃない!! S660のCVTモデルが教えてくれた、ホンダスポーツの楽しさと「ゆるスポ」のコンセプト

 

いずれにしても商売になるかは微妙だったと思いますが

でも、「ゆるスポ」が見たかったな・・・と思っています。

新しい広がりの可能性はそちらにしかなかったのではないかと。

 

作る側の周囲は「スポーツ」と言うとスイッチが入る方が多そうですし

お客様もそちらのほうが既存の方が見える(存在している)部分もあったでしょうから

抜け出すのは難しかったでしょう

 

またクルマというプロダクトは安全性とか含めて緩くするのは難しいかもしれません。「乗って楽しい」を残すとするとどうしても足回りだけでも既存のものさしのもとで素性の良い構成にしたくなりそうですし・・・。

 

・・・直接知らないので想像です

 

思い出したことその2

(以前LINEスタンプを作った)ムコウさんのYouTubeで元プロの人も一緒に小さい女の子にボールの投げ方を教えようとして、最初はフォームを教えていたらなかなかうまくいかなかったのだけど、ちょっとした偶然からお腹を的にして投げさせて当てられたムコウさんが歌を歌うという反応を見せたら面白がってどんどん投げて、そこで彼女のお母さんがフォームをすこーしアドバイスしたら制球力も威力も増していったという動画を見て、ちょっと感動しました。

 

【重大発表】めいちゅんと向の関係を全て公開します。【ムコウズ】

(題名はお気になさらず・・・)

 

初心者にフォームやルールから教えるのってどんなものでもやりたくなりますけど、伝えるのは難しいです。まず的に向かって思い切り投げると反応がある、というのがシンプルに面白いから始まるのはいい感じです。

 

プロダクトデザインのスケッチの授業をしようとするとどうしても硬くなりがちなのですが、初心者に行う場合きっと既存のものさしだけを持ち込んでは盛り上がらないし、拒否反応が出てしまいそうなのでどうしたものかと考えているところで、これもできればゆるめたい。

一般的な基本を乗り越えることは必要そうでいて、最初にやることかというと自分にしても結果的にパースとか覚えたような気がするのです。大事な部分は「伝えるにはどうしたらいいか」とか「伝わると嬉しい」というところからでしょうか。紙面になにか現れるだけでも結構楽しいですし。(でも知っておいたほうが手っ取り早いか・・・。)

 

といったところでたまたま以前いた同じ会社にいた方が大学の先生になっていて退官になるお知らせとそのスケッチ展の画像を見て、ああああうまいなあああ、ガチで上手いのいいなあああとなったりもしています。

 

道のりは遠い。

 

加藤 雄也

ナナヨンデザインラボ